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まさかの「会話終了」宣告
Microsoft365でセットで使えて、会社の情報を守る「エンタープライズ保護」があるため、会社で許可されていることの多いCopilot、いつも私は使っています。
先日、仕事でどうしても解決できないエラーがあり、頼みの綱であるCopilotくんに相談していた時のことです。
私「このエラーの原因は何?」
Copilot「原因はAかBの可能性が高いです」
私「ログを見るとBっぽいです。修正コードを書いてください」
よし、これで出力されるコードを使ったら直るかな。これで帰れるぞ
そのときです
[この会話は終了しました。続ける場合は新しいチャットに切り替えてください]
えっ?
いやいや、ちょっと待って。 今まさに解決策を提示してくれるところだったじゃない。 ここで終わりなんてないよ!
これ、完全に「あ、17時なんで定時退社しまーす(ガチャッ)」っていう、鋼メンタル新人のムーブですよね。 しかも、帰るだけでなく、書きかけの書類(コード)をシュレッダーにかけてから帰宅してるよね

なぜCopilotは急に「記憶」をなくすのか?
この理不尽な「会話終了」、実はCopilotの不具合ではなく、AIの仕組み上の限界、つまり「仕様」なんです。
AIの記憶容量=「バケツ」説
AI(LLM)には、「コンテキストウィンドウ」と呼ばれる、一度に記憶しておける情報量の上限があります。 これを分かりやすく図解してみました。

Copilot(特に無料版)は、この「バケツ」が小さいんです。 新しい会話(水)を入れると、古い会話(最初の指示や前提条件)がところてん式に溢れて消えてしまいます。
「ターン制限」という壁
さらに、Microsoft Copilotにはターン制限があります。
ここでは私が確認した時点でのターン数の30ターン制限とします
- 序盤(1-10ターン):元気いっぱい。「任せてください!」と頼もしい相棒。
- 中盤(11-25ターン):徐々に文脈が怪しくなる。過去の設定を忘れ始める。
- 終盤(26-30ターン):明らかに焦り出す。「そろそろお時間ですので…」という空気を出し始める。
- 終了(30ターン):強制終了。問答無用でログアウト。

私たちの会話が盛り上がって解決に向かっていたとしても、AI側では「残りの会話チケット」のカウントダウンがゼロになってしまったわけです。
※AIはどんどん進歩しているので、今はもっと長いターン数チャットができるかも知れません。しかし、最初の方にしていた質問を忘れる傾向があることは、知っておくべきです
悲劇を回避するための対策
この「書きかけシュレッダー事件」を二度と起こさないために、私が実践している対策を紹介します。
1. こまめに「New Chat(新しいトピック)」する
「一つの会話で全てを解決しよう」とするのが間違いでした。 会話が長引くと最初の頃の関係ない情報も引っ張られて、AIのパフォーマンス(回答精度)も落ちるため、話題が変わるたびに、意識的に「新しいチャット」を開始しましょう。
例:最初の頃に聞いてた晩御飯の献立を踏まえて、パソコンのエラー画面の対応を考えてしまう。「あなたの晩御飯のカレーで例えると、このエラー画面は香辛料の産地が違うと言ってるようなものです」みたいなことを言ってしまう。
2. AIに「自分の仕事環境」を覚えさせておく
新しいチャットを始めると、AIは記憶喪失状態(初めまして状態)に戻ります。 そこで、毎回入力する前提条件は設定画面に入力しておきましょう
Copilotの場合、「個人用設定」に「カスタム指示」があり、ここに「今のあなたの業務環境」を書いておくといいでしょう。
例えばこんな感じです。
「パソコンのことについて相談をしたとき、以下のことに考慮してください ・使用パソコン:Windows11 ・Office:2021 ・使用しているアプリ:⚪︎⚪︎」
これを入れてることで、windows10でしか存在しないような設定や、違うOfficeについての話をしてくることがなくなるので、チャットを切り替えやすくなります
最後に:AIも人間だと思えば許せる?
最初はイラッとしましたが、よく考えれば人間だって同じかもしれません。 延々と質問攻めにされたら、「話が長くなりそうなので、一旦区切っていいですか?」と言いたくもなります。
Copilotくんは、質問攻めされても責任が取れないのでただ正直に「定時退社」しただけなのかもしれません。 そう思うと、急に会話を打ち切るあの塩対応も、なんだか人間臭くて許せる気がしてきました。
皆さんも、AIと話すときは「ターン制限」と「バケツの大きさ」を意識して、適度な距離感で付き合ってあげてくださいね。