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【年収も公開】30代未経験から院内SEはきつい?仕事内容や転職に必要な要素を解説

最近はプログラミングブームもあり、ITエンジニアへの関心が高まっています。

キャリアアップを考えて「ITエンジニアに転職したい!」と思って調べた時に「社内SE」、「院内SE(情シス)」という言葉が出てきて、

OL

院内SEって何をしているんだろう?普通のシステムエンジニアと何が違うのかな?

女性

給料はいくらくらい?きついのかな?

悩む会社員

なるために資格が必要なのかな?未経験でもなれる?

このように思っていないでしょうか?

結論から言うと、

ワークライフバランスをとりながらITエンジニアとして経験を積みたいなら「院内SE」はおすすめできます。

私はIT未経験の30代から院内SEに転職でき、ITエンジニアとしての実績を積み上げています

そこで今回は元医療従事者で院内SEを経験した私が院内SEの業務内容、給料、必要な資格について解説します

この記事の流れは下記の通りです

院内SEってどんな仕事をしている?

OL

院内SEってざっくりどんなことをしているんですか?

ざっくりまとめるとこんな感じです

一つずつ解説していきますね

院内ネットワークの管理

まず最初は院内ネットワークの管理です。

院内SEで一番大事な業務はこれだと思います。

「院内ネットワークの管理」とは、

  • 電子カルテを見ることができる「電子カルテ系ネットワーク」
  • インターネットやメールを使うことができる「情報系ネットワーク」

この二種類のネット回線の管理を行うことです。

「電子カルテはノート」、「パソコンはペン」なので、電子カルテを使っている病院にはたくさんのパソコンが存在します。

(パソコンがないとカルテに記録ができないんですよね。なので病院にパソコンってめちゃくちゃ多いんです)

それら大量のパソコンが問題なくネットに繋がっているかどうかの管理を行います。

電子カルテを使っている病院にとって、電子カルテが見れない=医者が診察できないということですから、とても重大な役割といえます。

パソコン、プリンタの管理、修理

パソコン、プリンタなどの機械は院内SEが管理します。

パソコンの管理とはそのままなのですが、病院にある大量のパソコンを管理します

具体的には、下記のことが挙げられます

  • パソコンのスペック確認、低スペックPCの交換
  • パソコンが故障した時の原因究明、修理対応
  • パソコンを効率よく使えるように運用を考える

次はプリンタの管理です

OL

パソコンはともかく、プリンタも?

確かに。でも病院ではプリンタをこんな風に使います

  • 一つのプリンタを複数のパソコンで扱う
  • プリンタをスキャナとしても使用する
  • サイズが違うたびに印刷設定をし直すことがないようにあらかじめ設定しておく

プリンタの設定を細かく行なっておき、医師や看護師、薬剤師はボタンを押すだけで印刷ができる状態にします。

プリンタ管理も院内SEの大切な仕事です。

例えば、処方箋を印刷するプリンタの設定がうまくできていない場合、患者さんに薬を処方することができなくなってしまいます。

処方箋が出なくて休みの日に呼ばれたことがあります。ただの紙詰まりだったんだけどね…

OL

そうなんだ…

IOT化された医療機器の管理

IOTとはInternet of Things(モノのインターネット)の略です。

IOT化とは簡単にいうと、ネットに繋がってなかったようなものが繋がるようになることです。

  • 空気清浄機がネットに繋がるようになって、家からも電源をつけれるようになった

例を挙げるとこんな感じです。

  • 心電図を記録して外部に送信できるペースメーカー
  • 電子カルテと繋がっている放射線装置
  • 測定した結果を電子カルテに自動送信する血圧計

「普通の血圧計」であれば、臨床工学技士などの医療者が管理をするのですが、「通信機能が付いている血圧計」となると、院内SEが管理することもあります。

OL

医療機器なのに院内SEが管理することもあるんですね!

だんだん医療機器がIT化していくのですが、臨床工学技士や看護師などの医療者がみんなITに詳しいわけではないので、院内SEが関わらなければならないのが現状です。

院内にITに詳しい人が求められているのを感じます

よく「1人情シス」、「1人SE」なんて言葉を聞きますが、院内SEの仕事は増えていってるので、ある程度の規模の病院だと1人は無理ではないかと思えます。

院内のシステム構築

院内のシステム構築は主に二つに分けられます。

・システムマスター管理

システムマスター管理とは業者から購入した電子カルテのマスターを管理することです。

具体的には下記のようなイメージです。

  • 新しい薬を使うことが決まった場合にそれを電子カルテに表示させる
  • 新しく職員が入ってきた時にその職員が電子カルテを使えるように設定する

院内SEの私が一番行うことが多い仕事がこれです

ただ新しい薬の名前、新しい職員を入れるだけでなく、

  • 「この薬の診療報酬(コスト)」は何円で設定しなければならないか?
  • 「この職員は看護師なので薬の処方はできないよう設定しておこう」

など、それぞれに細かく設定が行われているので、どう設定すれば医師や看護師がスムーズに使えるのかを考えながら設定を行う必要があります。

地味な作業なのですがとても大切な仕事です

・自作で小規模のシステム作成

電子カルテにはない機能だけど、こんなシステムがあったらいいな!

という看護師などからの要望があった場合、お金を払ってシステム会社に依頼するのではなく、院内SEが自作することがあります。

看護師から何で困っているのか、システムを作る目的、必要な情報などを聞き取りして、RPAやVBAなどを使ってシステムを構築します。

RPA:Robotic Process Automationの略で、マウスのクリックやキーボードの操作を自動化できるツールのこと
VBA:Visual Basic for Applicationsの略で、エクセルやワードで使用できるプログラミング言語のこと

個人的にはこの仕事をしている時が一番楽しいです。

OL

そうなんですね!ちなみになぜですか?

うまくいって看護師や薬剤師の仕事を減らせると、とても喜んでくれるからです

院内SEは医療行為を行なって直接お金を稼ぐことができませんが、このように無駄を省き職員の残業を減らすことで病院の収益アップに繋げることができます。

電子カルテやシステムメーカー、ベンダーとのやりとり

電子カルテシステムのメーカー、ベンダー(販売者)とのやり取りは院内SEが行うことが多いです。

実際に電子カルテを使っているのって医師や看護師、薬剤師、放射線技師などの医療職なのですが、

医療職と電子カルテベンダーが直接やり取りをすることはあまりないと思います。

それはなぜか?

理由は「医療者は、ベンダーが何言ってるのか分からないことが多いから」です。

  • ベンダーから電子カルテシステムの仕様についての説明を受けて、医療者にわかりやすく伝える
  • 医療者が電子カルテで困っていることを汲み取って、ベンダーにわかる形で伝える

このような、橋渡しの役割が必要なのです。

OL

通訳みたいだね

まさにそんな感じ。病院の中で一番システムのことをわかっている人だからね

事務作業全般

院内SEは病院内では「事務」扱いをされることが多いので、事務作業全般を行うことがあります。

具体的には事務当直や総務業務といった、システムには関係ないことも行います。

OL

院内SEは事務仕事も行なっているんですね!

割合としては少ないけどね。たまに事務仕事をすると気分転換になります。

SEとして働きたいけど、「プログラム」や「システム」のことばかり仕事し続けるのも…

と思っている方には丁度いい気分転換になると思います。

院内SEの給料は?

私は院内SEとして働いていた時は年収400万円くらいです。

社内SEの相場としては年収500万くらいのようですので、院内SEは少し年収が低いということになります

ただ、出世すれば「主任」、「課長」、「事務長」という道があります。なので、実績を積み上げれば昇給は可能と思われます

院内SEってきつい?楽?

OL

院内SEって「きつい」という話を聞くけど実際はどうなんですか?

院内SEは基本的には安定したワークライフバランスを取れるので、気持ち的は楽に働けると思います。

電子カルテが動かなくなった、ネットに繋がらなくなったなどの大きなトラブルでない限りは、遅くまで残業してする仕事はありません。

システム構築や、電子カルテベンダーとのやり取りの仕事が大量に来たとしても、基本的には「急がない」業務なので、機械トラブルの少ない日にコツコツと進めていく感じです。

個人的にはこの「急がない業務」が多いところが良いところだと思っていて、医療従事者だったときは目の前で患者さんが待っていて、患者さんたちが全員帰るまでは落ち着かなかったものです。

常に患者のことが頭から離れずに、院内を走り回って忙しく仕事をしていました。

医療従事者の時は患者さんが帰った後も、明日来る患者さんのことを考えて憂鬱な気持ちになることも多かったです。

OL

医療者って真面目な人が多そうだもんね。責任感が強い分、抱え込んでしまうのかな

未経験からIT業務に転職しましたが、自分のペースで着実にスキルを身につけることが出来ています!

どうやったら院内SEになれる?

必要な資格はある?

結論から言うと、

ただ必要な素質、知識はあります。

例えば下記のようなものです

  • 人(医療者)とのコミュニケーションが苦手でないこと
  • プログラミングの知識が少しあること

人(医療者)とのコミュニケーションが苦手でないこと

院内SEは医療従事者とコミュニケーションをとる機会が多いです。

医療従事者は医療について大学や専門学校で学び、実習を経て就職していますので、医療についてとても詳しい知識をお持ちです。

しかしパソコンの操作については学校では深く学ばないので、パソコン操作が苦手な方はとても多いです

そんな、パソコンが苦手な医療者に対して目線を合わせて会話を行うことが求められます。

医師や看護師には気難しい方も多いので、人によってはこの「コミュニケーション」が難しく、きついと感じる方もおられるかもしれません

しかしその代わりに、患者さんとのコミュニケーションはほとんどありません。

患者さんの理不尽な要求、クレームなどを院内SEが対応することは少ないので、この点はメリットと言えます

プログラミングの知識が少しあると有利

先ほど少し書きましたが、プログラミングの知識は少しあると役立ちます。

企業のプログラマー、エンジニアほどプログラミング技術を求められないですが、

プログラミングというものが何のことなのか知っておくだけでもめちゃくちゃ役立ちます

私もプログラミングの知識を少し持って転職したのですが、役に立ってます

院内SEに高度なプログラミング知識が要らないと言っても、なんだかんだプログラミングが理解できてないと困ることは多いです。

私はちなみにプログラミングの知識が全くなかったので、プログラミングスクールに通い、600時間ほどの勉強を経て院内SEに転職しました。

院内SEが持っていることが多い資格

私の先輩は医療情報技師の資格を持っているようです。

医療情報技師は「情報処理技術系」、「医療情報システム系」、「医学・医療系」の三種類の試験があります。

まさに院内SEとして働く時に使う知識について問われる試験なので私も取得するか検討しています

ただ、この資格は院内SEとして働くことになってからとってもいいのかなと思います。

SEは病院だけでなく企業でも働くことができるので、転職活動を経て院内SEとして働くことになってから取るのが良いのではないでしょうか?

まとめ

今回は院内SEの業務内容や給料、転職に必要な要素について解説しました。

今回の話をまとめます。

院内SEの業務内容

院内SEは上記の仕事をメインに行なっていて、

仕事は納期がないものが多く、業務量も予想しやすいため残業は少なめでワークライフバランスがとりやすい

その分、事務系なので看護師やコメディカルと比べると給料は安め

院内SEに転職するために資格はなくても良いが、人とのコミュニケーション能力や、プログラミングの知識があると有利

最後に、自分が社内(院内)SEに転職する前に通っていたプログラミングスクールについても解説してるので、よかったらどうぞ

今回は以上です。院内SEへの転職を考えている人の役に立てたら幸いです。

CSE

元医療従事者として病院で働いていましたが、システムに興味を持ち、ITエンジニアに転職しました。未経験からエンジニアとして働く過程で得た知識や経験を共有し、ITの世界への一歩をサポートします。特に、パソコンが苦手でも、1つずつ覚えれば大丈夫というメッセージを伝えたいです。 社内で外注を検討していた100万円規模のシステムを自作した経験があり、効率化やコスト削減に貢献しました。

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